葬儀
葬儀とは何か
葬儀は、死者を弔い、残された者が悲しみを受け入れるための儀式だ。日本では約9割が仏教式で行われる。読経・焼香・出棺・火葬——一連の流れには、それぞれ意味がある。
仏教式葬儀の目的は「故人が浄土に往生できるよう送り出す」ことだ。読経は故人のために経典を読み、仏の世界への橋を渡す助けをする行為とされる。
葬儀の流れ
通夜(つや)→葬儀・告別式→出棺→火葬→収骨——というのが一般的な流れだ。通夜は、夜を通して故人のそばにいた慣習に由来する。
焼香は香を燃やして仏に供える行為だ。「三途の川(さんずのかわ)」を渡る故人の道を、香りで照らすという意味もある。回数や作法は宗派によって異なる。
POINT
- 日本の葬儀の約9割が仏教式
- 火葬は釈迦の葬儀に倣い7世紀から普及——現在の火葬率は約99%
- 葬儀は生者が死という現実を受け入れるための儀式
なぜ火葬か
日本では仏教の影響で火葬が広まった。釈迦の遺体が火葬されたことに倣い、7世紀の天皇が初めて火葬を行ったのが始まりとされる。現在、日本の火葬率は約99%で世界最高水準だ。
火葬は、肉体から魂が離れる過程を象徴する。燃え尽きた後に残る白い骨(遺骨)を箸で拾い、骨壺に収める「収骨」も、日本独自の文化だ。
葬儀の本質
葬儀の本質は、「死という現実を受け入れるための時間と形式を与えること」だ。儀式があることで、死の事実と正面から向き合うことができる。
「葬式仏教」という批判がある。しかし、死の場面に必ず仏教が介在してきた日本の歴史は、仏教が死を正面から扱う宗教であることの証だ。
葬儀は、死者のためではなく、生者が死と向き合うための時間だ。