インド・中国・日本仏教

インドの仏教

仏教はインドで生まれた。釈迦の教えは口伝から始まり、文字化され、上座部・大乗・密教と変容しながら広まった。しかし12〜13世紀のイスラム勢力の侵攻により、インドの仏教はほぼ消滅した。

仏教発祥の地でありながら、インドは現在、仏教徒が人口の1%程度に過ぎない。20世紀に、不可触民(ダリット)の解放運動の一環として仏教への集団改宗が起きた。

中国の仏教

仏教は1〜2世紀にシルクロードを通じて中国に伝わった。膨大な経典が翻訳され、中国の土着思想(儒教・道教)と融合しながら独自の発展を遂げた。

禅宗・浄土教・天台宗などは中国で発展した形態だ。漢字文化圏(中国・朝鮮・日本・ベトナム)に伝わった仏教は「北伝仏教(漢伝仏教)」と呼ばれる。

POINT

日本の仏教

日本の仏教は、中国・朝鮮半島を経て6世紀に伝来した。奈良・平安・鎌倉と時代を経るにつれ、独自の宗派が形成された。

日本の仏教の特徴は、神道との共存(神仏習合)と、葬儀文化との強い結びつきだ。「葬式仏教」という批判もあるが、日本独自の死生観の表れでもある。

比べることで見えるもの

インド仏教は「解脱(個人の苦しみからの自由)」を重視し、中国仏教は「悟りの大衆化(すべての人が仏になれる)」を強調し、日本仏教は「この世での安心(現世利益・死後の弔い)」と深く結びついた。

どれが正しいかではなく、それぞれがその時代・文化の必要に応じて仏教を受け取った。仏教の柔軟性が、2500年の生命を支えた。

仏教は旅をするたびに変化し、そのたびに新しい命を得た。