お寺と神社
違いを整理する
お寺は仏教の施設で、僧侶が住み、仏像を祀る。神社は神道の施設で、神職が奉仕し、神を祀る。この二つは、異なる宗教の施設だ。
見分け方は簡単だ。鳥居(とりい)があれば神社、山門(さんもん)・仁王門があればお寺。お賽銭箱・おみくじは両方にあるが、位牌・仏像はお寺だけにある。
神仏習合という歴史
かつて日本では、神道と仏教が混在する「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」が当たり前だった。神社にお寺が附属し、仏教の僧侶が神道の祭礼を行うことも珍しくなかった。
明治時代の「神仏分離令(1868年)」により、両者は強制的に分けられた。現在の「お寺と神社は別物」という感覚は、実は150年ほどの歴史しかない。
POINT
- 鳥居→神社、山門→お寺——見分け方はシンプル
- 神仏習合——分離したのは明治以降の150年
- 形より、何かに手を合わせる心が本質
何が祀られているか
神社には八百万の神(やおよろずのかみ)——自然・祖先・英雄など——が祀られる。伊勢神宮には天照大御神(アマテラス)、稲荷神社には宇迦之御魂神(ウカノミタマ)が祀られる。
お寺には仏・菩薩・明王・天部などが祀られる。本尊は宗派によって異なり、阿弥陀如来・釈迦如来・観音菩薩などが多い。
両方に参る日本人
日本人は初詣に神社へ行き、葬儀はお寺で行い、結婚式は神前・教会どちらでも行う。これを「宗教的無節操」と見る向きもあるが、「どの形でも、何かに手を合わせる」という日本人の精神性の表れとも言える。
形より、手を合わせる心。神社でもお寺でも、祈る行為そのものが持つ意味は変わらない。
神社でもお寺でも、手を合わせる瞬間に変わりはない。