毘沙門天

毘沙門天とは何か

毘沙門天(びしゃもんてん)は、四天王(してんのう)の一人であり、北方を守護する天部の神だ。サンスクリット語「ヴァイシュラヴァナ(多くのことを聞く者)」に由来し、「多聞天(たもんてん)」とも呼ばれる。

四天王(東の持国天・南の増長天・西の広目天・北の多聞天)の中で筆頭とされ、単独でも広く信仰される。七福神の一人でもある。

姿と持ち物

毘沙門天は鎧兜を身につけた武将の姿をしている。右手に宝棒(ほうぼう)または宝槍、左手に宝塔(ほうとう)を持つのが特徴だ。足で邪鬼(じゃき)を踏みつけている姿が多い。

宝塔は「多聞(たもん)——多くのことを聞く」という智慧の象徴。宝棒は邪悪を打ち払う武器だ。

POINT

武将との縁

毘沙門天は戦国時代の武将に深く信仰された。上杉謙信は自らを毘沙門天の化身と称し、軍旗に「毘」の文字を掲げた。

勝負・勝利・護国——武将が必要とした加護が、毘沙門天への信仰と結びついた。現代でもスポーツ選手・勝負事に関わる人々に信仰される。

財福の守護

毘沙門天は財福の神でもある。七福神の一員として、宝を授ける神としても信仰されてきた。「多聞(多くを聞く=多くを知る)」から転じて、富をもたらす知恵の神という性格も持つ。

護国・勝利・財福——多面的な加護を持つ毘沙門天は、日本で最も広く信仰される天部の一尊だ。

毘沙門天は、困難に立ち向かう者を守る仏だ。